共同遺言

◇共同遺言とは

2人以上の者が同一の証書を用いて遺言することを共同遺言と言います。

しかし、わが民法では、共同遺言を禁止しています。(民法975条)

理由ですが、

遺言は、本来遺言者の自由な意思に基づいてなされるべきです。しかし、共同で行うことを認めてしまうと、相互に何らかの影響を受け、自由な意思に基づいて遺言をすることができなくなる危険性があります。

また、遺言者は、自由に遺言を撤回することができますが、共同遺言をした1人が撤回をすることができるのか、仮に撤回を認めてしまうと、どのようにそれを処理するのかについて問題が生じる可能性があります。

つぎに、共同遺言者の一方の遺言が方式を満たさないなどの無効事由がある場合に他方の遺言は有効なのか否かにつき問題が生じます。

さいごに、共同の遺言がそれぞれの遺言を条件としている場合に、一方の遺言者がその条件に反して財産を処分した場合、他方の遺言はどうなるのか問題になります。

以上です。

予断になりますが、一通の証書に妻及び夫の遺言が記載されている場合であっても、両者が容易に切り離すことができる場合には共同遺言には当たらないとした判例があります。(最判平5.10.19判時1477・52)

◇まとめ

一見したところ共同遺言に見えても、内容的に単独遺言と評価することができれば無効にならない可能性がありますが、無効になるリスクを考えると、たとえ夫婦であっても別々に遺言書を作成すべきです。