2.遺言事項

◇遺言できる事項

遺言に、遺言者の意思を書くのは自由です。しかし、遺言書に書いてあること全てを相続人に対して強制力を及ぼすことはできません。つまり、法律的な効力が生じる事項は、民法その他の法律で限定されており、これを「法定遺言事項」といいます。その内容は以下の通りです。

1.相続に関する事項

①推定相続人の廃除とその取消し(民法893条、894条2項)

②相続分の指定又は指定の委託(民法902条1項)

③特別受益者の相続分に関する指定(民法903条)

④遺産分割の方法の指定又はその委託((民法908条前段)

⑤遺産分割の禁止(民法908条後段)

⑥共同相続人間の担保責任の定め(民法914条)

⑦遺贈の減殺方法の指定(民法1034条但書)

2.財産処分に関する事項

①包括遺贈及び特定遺贈(民法964条)

②一般財団法人の設立(一般法人法152条2項)

③信託の設定(信託法3条二)

3.身分に関する事項

①認知(民法781条2項)

②未成年後見人の指定、未成年後見監督人の指定(民法839、848条)

4.遺言執行に関する事項

遺言執行者の指定又はその委託(民法1006条1項)

5.その他

祭祀承継者の指定(民法897条1項但書)

 

以上が法定遺言事項ですが、これ以外の事項の実現を望むのであれば、生前から家族などとよく話し合って理解を得ておくことが何より大事なことだと思います。

例)『葬儀』、『尊厳死』、『検体』など

 

◇生前でもできる事項

上記のうち、1の①、③、2の②、③、3の①、5 は、生前に行っておくことは可能です。しかし、現実的に、「推定相続人の廃除」は、遺言者が死亡後に行うことは不可能と予測され、また、「認知」については相続にも影響が及びます。以上これらについては、遺言ではなく、生前行為として行っておいた方が断然よいと言えます。