内容証明郵便とは
簡単に言えば、「特別のお手紙」です。
普通の手紙とどこが違うのかといえば、同じ内容の文章を3部作成をし、1部を相手方に送付をし、1部を郵便事業株式会社が保管をし、1部を差出人が保管をするというものです。
ところで、内容証明の「証明」の意味ですが、郵便事業株式会社が郵便物の内容である文章の内容を証明するといことです。(郵便法48条1項)
しかし、文章の内容は証明しても、その文章の内容が真実なのかどうなのかまでは行うものではないことに注意は必要です。
内容証明郵便には2種類あります。ひとつは郵便局の窓口から自分で作成をした郵便物を送る方法。もうひとつはインターネットを利用して送る電子内容証明郵便です。24時間いつでも送れるのは、後者の電子内容証明郵便です。
ところで、内容証明郵便を送る際、必ず配達証明付きにすることがポイントになります。
その訳は、文章の内容は証明されても、相手に届いたのか分からないのでは意味がありません。そこで、配達証明を付けることによって相手方に配達された日時も証明してもらうのです。
結果、動かぬ証拠を残すことができるわけですね。
しかし…
仮に、もし相手方が1枚上手で、内容証明郵便の受け取りを拒否したら…
大丈夫です。それを見越して先手を打てばよいのです。送付した内容証明郵便の文章中に普通郵便で同一内容の文章を送付したことを書いておくのです。
しかし、普通郵便では相手に届いた証明はされませんから、特定記録付きで送付をします。この特定記録というのは、相手の直接の受領は必要とはせずにポストへ投函したことによって配達が完了となるものですから、この郵便物を相手が読もうが読まないが関係はありません。相手のテリトリーに手紙が配達された事実が意味があるのです。
あとは相手の出方を見て最善の行動を起こすだけですね。
郵便局にかかる費用
例)電子内容証明郵便(e内容証明)で1枚の文書を送る場合
- 郵便料金・・・84円
- 電子郵便料金・・・e内容証明文書1枚 15円 (2枚目以降は1枚ごとに5円加算)
- 内容証明料金・・・e内容証明文書1枚 382円 (2枚目以降は1枚ごとに360円加算)
- 謄本送付料金・・・304円
- 一般書留料金・・・435円
- 配達証明利用料金・・・320円
合計1,540円
自分でe内容証明郵便を送る場合は上記料金です。
また、郵便局の窓口で、あらかじめ作成した紙の文書を持ち込んで送る昔ながらの内容証明郵便は、同条件でプラス259円になり、計1,799円となります。
弊所にご依頼の場合には別途報酬を頂きます。
内容証明郵便のメリットデメリット
メリット
- 通知内容を後日証明することができる
- 配達の事実、配達日を証明することができる
- 相手に心理的プレッシャーを与えることができる
デメリット
- 形式に制約がある
- 費用が掛かる
- 相手に伝える文書のみで、その他の書類は同封できない
内容証明を利用すべき場合と利用すべきでない場合
内容証明を利用すべき場合
- クーリングオフをするとき
- 契約を解除するとき
- 期限の利益を喪失させるとき
- 時効を中断させるとき
- 債権譲渡を債務者に通知するとき
- 訴訟の提起を考えているとき
内容証明を利用すべきでない場合
- 今後も親しく付き合いたいとき
- 相手方に誠意があるとき
- 自分のほうに非があるとき
- 訴訟に持ち込みたくないとき
- 相手方が倒産しそうなとき
- 相手方が財産隠しを行いそうなとき
内容証明が自分に届いた場合は
- 記載内容の確認・・・まずは冷静に内容を確認します。たとえ間違った箇所を見つけたとしても直ちに反論書面を送るのではなく、それに対して反論の回答書を送る必要があるのかを検討する必要があります。
- 自身に義務違反がないか確認・・・内容証明郵便は、通常、相手方の義務違反を指摘し金銭等を要求する内容となっています。何も違反をしていないのに内容証明郵便が送られてくるというケースはありません。(詐欺の場合を除く)
「〇日以内に回答がない場合には~とみなします」という記載があったとしても、さほど気にかける必要もありません。なぜなら、一方的に事実を確定させることはできないからです。回答すべきか否かは、あなたに法律上の義務違反があるのか、回答しておいたほうが有利になるのかを検討すべきです。
身に覚えがない場合には無視をしてかまわない場合もあります。
「〇日以内に○○するように」文面に対して、あなたに義務違反がある場合は期間内にその義務違反を解消しておく必要があります。